甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~


「え、偉そうに言わないでっていつも言ってるでしょ?私は別に貴方に守られなくったって……きゃっ!」

 こんなに言ってくれてる聖壱さん相手でも、やっぱり素直になれない。
 だけどいつものように可愛くない返事をしていた途中、聖壱さんがいきなり私のスーツのジャケットの中に手を入れてきたの!

「やはり俺にキチンと教えられないと言う事を聞く気が無いって事でいいんだな、香津美?」

 聖壱さんの射貫くような瞳に見つめられ、さすがの私も体が震えた。この人……本気で私を躾ける気だわ。
 腰のラインをゆっくりとなぞって少しずつ上へと進んでいく聖壱さんの両手。身体を他人に触られることがほとんどなかった私は、その感覚に戸惑い泣きたくなってしまう。

「聖壱さ…んっ!こんな事は……」

「俺に守られるって言え、香津美。言うまで、終わらないぞ?」

 シャツの上から大きな手が少しずつ胸のふくらみに近付いて来る。どうすればいい?何といえば聖壱さんを止められる?
 とうとう彼の指が私のシャツのボタンを外しにかかった、その時――――

【コンコン、カチャリ……】

 社長室のドアがノックされ、こちらの返事を待たずにそのまま開かれた。

「……何をしてるんですか、聖壱。僕はここをお前の仕事場だと記憶していましたが?」


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