甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~
契約と夫の隠し事
「今夜、香津美にもきちんと話すから――――」
聖壱さんにそう言われて、私はいつもの仕事に戻る。時々私に仕事を教えてくれる沖名さんにも挨拶をして、デスクの上に置かれた書類を確認する。
一枚一枚に目を通しながらも、聖壱さんの言っていた『身内のゴタゴタにお前を巻き込みたくなかった』という言葉が何度も繰り返された。
彼が私を守りたいと思ってくれてることは、とても嬉しい。だけど私はそんな風に守られてるばかりでなく、聖壱さんの力になりたい。
今夜、聖壱さんからどんな話を聞かされるのかが気になってしまう。ああ、早く今日の仕事が終わればいいのに。
仕事を終えて聖壱さんより先に帰ると、急いで着替えてから晩御飯の準備。
聖壱さんは食事や掃除などは使用人を雇ってやってもらおう、と私に言ってくれたのだけど私が断ったの。下手な私の料理でも美味しいと言って笑ってくれる聖壱さんを見たいから。
出来た食事をテーブルに並べて時計見ると、聖壱さんが帰ってくるまでもう少し時間がある。私は彼が帰ってくる前にお風呂を済ませておくことにした。
私がお風呂からあがって、しばらくするとインターフォンの鳴る音がした。私は聖壱さんが帰って来たのだと思い急いで玄関に向かう。
私はドアスコープで外を確認することもせず、聖壱さんが帰って来たのだと疑いもしないで玄関の扉を開けた。
だけど、そこに立っていたのは――――