甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~


 柚瑠木(ゆるぎ)さんの言葉に何かが引っかかるの。
 そんな事を前から2人で話し合っていた。そして同じ時期に決まった2つの契約結婚。
 まさか私たちの結婚そのものが……

「じゃあ私たちの結婚すら、貴方達の計画の一部にすぎなかったって言う事なの……?」

 そんな事を、本当に聖壱さんが……?私と月菜(つきな)さんはそのために選ばれただけの妻だというの?

「香津美さんは意外と鋭いんですね。そう、僕たちはそのために貴女達を妻に迎えたんです。心が強くちょっとしたことでは挫けない……そしてこの結婚を断りにくい立場にある女性を選んだつもりです。」

「それじゃあ……!貴方達は私や月菜さんを最初から利用するために!?」

 信じられない言葉に怒りを感じ、私は思わず柚瑠木さんに掴みかかろうとする。だけど聖壱さんが私を抱きとめてその動きを封じてしまう。

「落ち着いてくれ、香津美。きちんと俺からも説明するから……!」

 聖壱さんはそう言うけれど、私の昂った感情は簡単には冷めなくて……

「落ち着いていられるわけないでしょう?いくら私達が契約結婚の相手だからって酷すぎるわ!」

 自分が感情的になりやすい性格だってことは分かってる、それが欠点だと何度も言われ続けたから、だけどこれはあまりにも……


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