甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~
まさか今度は聖壱さんを悪者にして誤魔化そうというの?そんな言い訳が今更狭山社長に通じる訳がないでしょう!
思わず狭山社長を見ると、彼は何かを考えるように顎に手を当てていて……
「確かに僕は聖壱と二階堂君にこんな方法をとるように言った覚えはないけれど。自分たちの大切な人を危険にさらすなんて……」
そんな、これは聖壱さんと柚瑠木さんが狭山社長とSAYAMAカンパニーのためを思ってしたことで……
けれど私達を囮に使ったことは決して褒められることではない、狭山社長の言う通りなんだわ。
「そうなんです、聖壱達は目的のためなら、自分たちの妻ですらこんな事に利用する奴なんです!」
……なんですって!?いくら何でも言っていい事と悪いことがあるわよ?私と月菜さんを自分たちの都合よく利用しようとしたのは狭山常務たちの方じゃないの。
私の夫とその親友を陥れようとする、この男だけは絶対に許さない!
そっちがそういう手を使うのならばこっちだって……!
「確かに私達は聖壱さんと柚瑠木さんに、今日の囮として選ばれただけの妻よ。彼らがそのために私と月菜さんに契約結婚を求めてきたのも事実だわ。」
「香津美……?お前何を……っ!」
ごめんなさい、聖壱さん少しだけ私のやりたいようにやらせて頂戴ね。私はこのまま引き下がれるような可愛い性格はしていないのよ。