彼氏君と秘密

「私、かわいいなんて言われたことないし……。」


自嘲気味にそう言うと、殿下は大きく頷いて、私はちょっとショックを受けた。


「確かに宮坂は容姿は中の中って感じだよな。」


う……。

殿下め、自分がかっこよくて、そのうえ私に好かれてるからって何てことを言うんだ。

私の恨めしそうな目線をもろともせず、殿下は言葉を紡いでゆく。


「でもさっきも言ったとおり、顔を赤らめてて、そのうえ赤面するのは俺の前だけなんだろ?
んで玄関で頬に触ったら余計赤くなっちゃって、その姿をかわいいと思ったんだ。」


私の頬が玄関での殿下の手の感触を思い出し、またかぁっと熱くなった。


「ほら、今もまた。」


そう言って殿下が微笑む。

そして






「俺がどんなことしたら宮坂がもっと赤面するか知りたくなったんだ。」
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