彼氏君と秘密
リビングでパンと牛乳というありきたりな朝食を食べ、いつもどおり着替えて、歯磨きをし、顔を洗い、家を出ようとした私の足が止まる。
視線の先には玄関にある小さな鏡に映っている私。
「うわ……なんか今日だめかも……」
思わず独り言を漏らした。
それもそのはず。
私の真っ黒で少し癖のある短い髪は、寝癖で広がっていたのだ。
「……しょうがないなあ。」
また一人でそう呟くと、私は洗面所へ向かったのだった。