彼氏君と秘密

「明日はもっと見せてな。」


そう言うと殿下は私の手も解放し、家庭科室を出ていってしまった。

一人取り残された私が殿下とのキスを思い出し、また一人赤面していると。





たったった……





家庭科室に近づく足音。

そしてドアが開かれ、そこには殿下がいた。


「どうしたの……?」


私は問い掛ける。


「いや……明日は弁当持ってこいよ。もっと長い時間一緒にいたい。」


殿下はそう言うと私の返事も聞かずにドアを閉め、立ち去ってしまった。
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