彼氏君と秘密

そんな宮本君を見送り、私は自分の席に行って帰り支度を始めた。

支度なんて言っても、引出しの中の教科書を鞄に入れるだけだけど。


「ばいばーい。」

「おう、ばいばいな!!」

「明日はCD忘れないでよ。」

「心、私たち先に帰りま〜す!!」


美雪のほかさまざまな挨拶が交わされ、気付くと私は教室に一人だった。


「……美雪のばかやろう。」


思わず美雪に届くはずのない悪態をついた。


そのとき

教室の戸ががらりと開いた。
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