彼氏君と秘密
「ため息吸うんだ。」
殿下が話し始めた。
私は赤い顔を隠すために俯いたまま何も言えない。
「何で?」
殿下が興味津々という感じの声を出す。
「しあ…せを……りこむために……」
私がぼそぼそと答える。
「……ああ、なるほどね。」
ちょっと間があったのは、私の言葉が全部聞き取れなかったからだろう。
「……」
「……」
会話が終わったと双方が感じたはず。
なので、私はゴミを捨て始めた。
殿下もまた、教室の奥へと消えた。