絶対様
☆☆☆

あたしはひとりで昇降口に立ち、美緒が戻ってくるのを待っていた。


自分のシューズを見下ろすとマジックでバカとかブスとラクガキがされている。


こんなのはもう慣れっこだった。


どれだけ綺麗にしたって次の日に汚されてしまうから、消すこともなくなった。


教室の机も、ロッカーの床面にも同じようなラクガキがされている。


それももうあまり気にならなくなってきていた。


もしかしたら咲たちはそれが気に入らないのかもしれない。


地味なイジメでは動じなくなったあたしと美緒を見て、エスカレートさせているのかもしれない。


あたしは軽く息を吐き出して運動靴に履き替えた。


時刻はすでに7時を過ぎていて、学校内にはほとんど誰の姿も残っていなかった。


部活動が休みの日だから余計に人の姿はなくて寒々しく感じられる。
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