絶対様
だけど、あたしはゴクリと唾を飲み込んでカバンからペンケースを取り出した。


その中から小型のカッターナイフを取り出して光に手渡す。


「なにこれ?」


「……それを使って、ひとつずつ切り取ればいいよ」


「え?」


光はカッターナイフに視線を落とす。


「切り取れば、なくなる。そんなの当たり前だよね?」


自分の声が震えないようにするのに精一杯だった。


こんないい分を光がきくとは思えない。


でも、それは普段の光なら、の話だ。


今の光は半分パニック状態にある。


その上、とにかく顔のニキビをどうにかしたいと願っている。


今なら、光を誘導することは簡単だった。


「ほら、早くしないとまた新しいニキビができちゃうよ?」


そう言うと、光はビクリと体を振るわせた。


そして、鏡の中の自分の顔を確認する。


「醜い顔。こんな顔、あたしの顔じゃない!」
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