絶対様
「あの日、体育館倉庫で美緒の写真を撮ったの。ちょうど、こんな感じの写真だった」


光は自分の体を見下ろして言った。


下着姿。


ということなんだろう。


あたしは下唇をかみ締めた。


あの日美緒は真っ青になって体育館倉庫から出てきた。


あたしが送ったメッセージに返事も既読もつかなかった。


その時の美緒はどんな気持ちでいたのか、想像するだけで胸が張り裂けてしまいそうだった。


「その写真、誰が持ってるの?」


「咲。でも、もう消したんだよ」


「嘘言わないで!」


「本当だよ。さすがにあの写真を撮ったってバレたらヤバイから、美緒を廃墟に呼び出してから消した」


光は嘘をついているようには見えなかった。


あたしは膝から崩れ落ちてしまいそうになるのを、どうにか耐えた。


そして目の前にいる光へ憎しみの視線を向ける。
< 132 / 155 >

この作品をシェア

pagetop