絶対様
その方向は路地が狭くなっていて、突き当たりがあるはずだ。


アルバイトをするくらいだから、この辺の地理には詳しいはずなのに。


真里菜は何かに追い立てられるようにその路地へ入り込んでしまったのだ。


疑問を感じたあたしは休憩することを断念して、真里菜の後を追うことにした。


どうせあの路地の奥は行き止まりになっているから、ゆっくりと歩いて近づいてく。


そして路地を覗き込んだとき、一瞬息を飲んだ。


そして咄嗟に電信柱に身を隠す。


たしかに真里菜はそこにいた。


その奥には黒い帽子をかぶり、黒い上下の服を着た男が立っているのだ。


顔は見えなかったけれど、背格好はコンビニでみかけた40代の男に似ている気がする。
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