絶対様
あたしは大きく深呼吸をして、スマホをベッド脇に置いた。


咲に返事はしていない。


返事をしないとまたキレられることはわかっているけれど、どうしてもできなかった。


「廃墟になんて行かない」


頭まで布団をかぶって呟いた。


廃墟に行けばなにをされるかわからない。


そんな場所に進んで自分から行くことなんて絶対にない。


そうだ。


明日になったら美緒と一緒に遊びに出かけよう。


家にいたらあの3人が押しかけてくるかもしれないから、外にいればいい。


あいつらだって、あたしたちの居場所まで突き止めることはできないだろうから。


あたしはそう思い、キツク目を閉じたのだった。
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