絶対様
美緒がこの3人から逃げられないようにするために、弱みを握っているんだ!


「そうだったね。じゃあここに座ってよ」


咲が笑いをかみ殺しながら美緒に向けて言う。


美緒は抵抗せずに素直にそれに従った。


「ダメだよ美緒!」


声をかけると美緒は一瞬だけこちらへ視線を向けた。


その目はとても悲しい色に満ちていてあたしは言葉を失ってしまった。


美緒が大人しく椅子に座ると、咲はあらかじめ用意していたらしい袋を部屋の角から移動させてきた。


中にはロープや工具が入っていて不穏な空気が流れ始めた。


「ちょっと、なにするつもり?」


さすがに黙っておけなくて咲へ声をかける。


「都市伝説の儀式をしてみるんだよ」


咲はロープで椅子と美緒の体を固定しながら言った。


都市伝説?


そういえば昨日の帰りぎわに3人がそんな話をしていたかもしれない。


「都市伝説ってなに? あたしや美緒は必要ないんじゃないの!?」


こっくりさんがしたいなら、3人で勝手にすればいい。


そんなもののために呼ばれるのは心外だった。
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