絶対様
そして静かに血は流れ、椅子の下にちだまりを作り出していくばかり。


しばらくその様子を見ていた咲が、そっと美緒の手首で脈を確認した。


その目が大きく見開かれるのがわかった。


「死んでる」


小さく呟くような声で、あたしの頭は真っ白になっていた。


死んでる?


美緒が?


そんな、まさか……。


否定したい気持ちは強かった。


だけど今まで目の前で見てきた拷問はすべて本物だ。


不意に真里菜たちの手の力が抜けていき、あたしは美緒にかけよった。


抱きしめるようにして胸に耳を当てる。


なにも、聞こえてこない……。


「美緒」


名前を呼んでも美緒はかたく目を閉じたままだ。


「美緒、目を開けて!」


叫んで美緒の肩を揺さぶる。


しかし、美緒は反応してくれない。


どうして?


なんでずっと目を閉じたままなの?
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