絶対様
☆☆☆

まさか、美緒は本当に絶対様になったの?


昨日まで大崎くんと彼女は問題なく付き合っていたはずだ。


それが今朝学校に来てみれば彼女と別れたと噂が流れていて、咲に突然の告白をした。


これらすべてが偶然だとは思えなかった。


大崎くんが前から咲のことが好きで、彼女への気持ちがなくなっていたのならわかる。


だけど学校内で見かけていた2人にそんな様子は少しもなかった。


咲の願いが叶ったと考えるほうが自然かもしれない。


あたしはゴクリと唾を飲み込んだ。


こんな非現実的なことがおこるわけがないと思いながらも、咲が大崎くんと付き合い始めたことは事実でしかなかった。


「言ったとおりでしょう?」


教室内で咲たち3人とあたしだけになったとき、咲の自信に満ちた声が聞こえてきた。


つい、視線を向けてしまう。


咲は2人の前で腕組をして胸をそっている。


「絶対様って本当にいたんだね」


関心して言ったのは真里菜だった。


隣に立っている光も目を輝かせている。


「今日あたしたちも願いを伝えに行こうよ」


光がそう言い、真里菜がうなづく。


「それならナナも来るでしょう?」


突然咲に声をかけられて、あたしは焦ってしまった。
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