絶対様
☆☆☆

そして、翌日。


久しぶりによく眠れたあたしは体を起こしたときの痛みがなくなっていることに気がついた。


暴行を受けてから朝起きたときには必ず痛んでいたのに。


そう思って鏡の前で服を脱いで確認してみた。


蹴られたり踏みつけられたりした痕が綺麗に消えている。


頭に触れて見ても、どこにも痛みを感じなかった。


一瞬完治したのかと思ったが、さすがにここまで早く治ることはないはずだ。


わき腹のアザなんて広範囲だったし、骨が折れたかと思うくらいの痛みを感じていたのだから。


夜にぐっすり眠れたことだってそうだ。


ここ最近はろくに眠れなかったのに、昨日の晩から急に眠れるようになった。


ただの偶然かもしれないが、あたしの脳裏には昨日美緒にお願いしたことが何度もよみがえってきていた。


幸せになりたい。


それは広範囲に影響する願い事になっていたかもしれない。


とにかく、そうやって怪我が完全に治ったあたしはいつもどおり学校へ向かった。


今日は教室内は和やかな雰囲気で、3人のうち誰かが騒いでいることはなかった。
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