絶対様
☆☆☆

全部終わらせるとはどういう意味だろうか。


質問してみたけれど、咲は答えてくれなかった。


一緒に廃墟へ向かわないと咲の考えを知ることはできなさそうだった。


不穏な空気をまとっている咲と一緒に行動することは気が引けたけれど、仕方がなかった。


放課後になるのを待って4人で廃墟へ向かう。


こうして4人で行動するのはもう何度目になるだろうか。


まるで自分が3人の仲間になったような気がしてきて、胸が悪くなってくる。


廃墟が見えてきたとき、咲は家には入らずに裏手へと移動していった。


どこへ行くんだろう?


疑問を感じながら一緒について歩く。


裏手の入り口付近に置かれていたのは赤い色をしたポリタンクだった。


咲は中身が一杯に入っているタンクの蓋を開ける。


その瞬間ガソリンの臭いがして、あたしは目を見張った。


「ちょっとなにをする気?」


3人はあたしの質問には答えずに、ガソリンを空き家の周りにまきはじめたのだ。
< 95 / 155 >

この作品をシェア

pagetop