恋愛アレルギー
自然と一緒にいるようになったけれど、あたしは研司の前で呼吸困難になって倒れてしまったのだ。


それまでも何度も研司と一緒にいると体調が悪くなっていた。


最初は心配してくれていた研司だけれど、倒れてしまったあたしを見て『いい加減にしろよ!』と、怒鳴ってきたのだ。


きっと、もう嫌気がさしていたんだと思う。


他の人と一緒にいるときにはなんともないのに、自分と一緒にいると体調を崩す。


そんなあたしに体質を嫌いになり、そしてそのまま研司は離れて行ってしまった。


今目の前にいる研司はあの頃とあまり変わっていないように見える。


でもそれは、外見だけだった。


研司はあたしと船見くんは手をつないでいるのを見ると、同情するような表情を船見くんへ向けたのだ。
< 105 / 136 >

この作品をシェア

pagetop