恋愛アレルギー
もう、自分でも何を言っているのかわからなくなってきた。


これじゃ相手が船見くんじゃなくてもよかったと捕らえられるかもしれない。


「落ち着いて」


声がして、船見くんが後ろからあたしの手を握り締めてくれた。


そのぬくもりに少しだけ安心した。


空からはまた雨が落ちてきそうな気配があったけれど、それでも船見くんはここであたしの話を聞いてくれようとしている。


「……あのね、驚かずに聞いてほしいんだけど」


あたしは大きく息を吸い込んだ。


そして、本来ここで伝えるはずだったものとは違うことを口にする。


「あたし、恋愛アレルギーなの」


「恋愛アレルギー?」


後ろから戸惑った声が聞こえてくる。


握られている手がかすかに震えたのもわかった。


動揺している。
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