恋愛アレルギー
☆☆☆

翌日の学校が休みでよかった。


あたしは昼近くまで寝て、起きたてからボーッとする頭で洗面所の前に立っていた。


昨日の夜もあまり眠れず、さすがにひどい顔になってきている。


顔を洗って見てもひどい顔であることには変わりなかった。


「愛美、今日は買い物に付き合ってくれない?」


洗面所から出たタイミングで母親が声をかけてきた。


母親はリビングでシーツにアイロンをかけているところだった。


「買い物?」


「そう。牛乳も洗剤も切れちゃって、重たいのよね」


そういうことか。


「わかった。いいよ」


家の中にいたらいつまでもグズグズと眠ってしまいそうだから、気分転換にはちょうどいい。


もしかしたら母親はあたしの異変に気がついて、それで誘ってくれたのかもしれないなと、ふと思ったのだった。
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