恋愛アレルギー
☆☆☆

母親の運転する車に乗って、町外れの大型スーパーまでドライブすることになった。


高速道路のジャンクションが近いため、そこだけやたらと人の行き来が多い場所だ。


「こんなところまで来なくても、買い物はできたでしょう?」


あたしは狭い車から出てつい文句を口にした。


1時間くらい車の中に押し込められていたせいで、体が固まってしまっていた。


「ちょっとくらいドライブに付き合ってくれてもいいでしょう?」


母親はそう言うと、楽しそうにあたしの腕に自分の手を回して歩き出した。


まるでスキップするみたいに歩いていく。


あたしは半分呆れながらもそれについていく。


めったに来ない大型スーパーは沢山の人でにぎわっていてそれだけで気分が違ってきた。


「愛美、そろそろ新しい靴がほしいんじゃない?」


「え? あぁ、そうだね」


あたしは自分の履いている靴を見下ろした。


購入したときは真っ白だった運動靴は、今は結構汚れてしまっている。
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