恋愛アレルギー
近くで見ると睫毛が長い。


それに肌も決め細やかで、まるで女の子みたいに綺麗な顔をしている。


こんなに綺麗な男子を見たことがなくて、思わずしどろもどろになってしまう。


「あ、あの。さっきは……ありがとう」


「あぁ、別にどうってことないよ。日下部さんが本好きなのは嘘じゃないんでしょう?」


「う、うん」


「それならいいんだ。ただ、あの3人に押し付けられてるように見えたから、嫌だなって思っただけ」


船見くんの声はゆっくりで優しくて、聞いている間に安心して眠ってしまいそうになる。


ずっと聞いていたくなる声だった。


「ご、ごめんね。あたし、ああいうとき発言するのが苦手で」


「どうして俺に謝るの?」
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