恋愛アレルギー
☆☆☆

翌日の登校日。


あたしは登校時間のギリギリになってもベッドから起きることができずに、グズグズと寝返りを繰り返していた。


「愛美、早く起きなさい！」


そんなあたしを見かねで母親が起こしにきたときは、風邪を引いたと嘘をついて休んでしまおうかとも思った。


けれど結局ベッドから起き出して、朝食もとらずにそのまま外へ出た。


今日は眩しいくらいに天気がいい。


あたしは太陽の熱に苛立ちを覚えながらノロノロと学校までの道を歩く。


あの小さな公園の前に差し掛かったとき、あたしは自然と足を止めていた。


あたしはついこの前までここで船見くんに告白をしようとしていた。


でも研司に邪魔をされてなにもいえなくて。


そして昨日、船見くんが女の子と歩いているところを目撃した。


あたしはふらりと引っ張られるように公園へと足を踏み入れた。


この時間に公園を使っている人はひとりもいない。
< 122 / 136 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop