恋愛アレルギー
船見くんが瞬きをして首をかしげる。


その度に長い睫毛が蛍光灯の光で輝いて見えて、本物のアイドルみたいだと感じた。


「結局図書委員をやることになっちゃったから、船見くんも手助けしてね?」


横から咲子がそんなことを言うので、あたしは慌てて止めに入った。


船見くんはあの時に助け舟を出してくれたのに、これ以上甘えることはできない。


それなのに……。


「もちろん」


船見くんは嫌な顔ひとつせずに微笑んでくれたのだ。


あたしは驚いて船見くんを見つめる。


真っ直ぐな視線に心の中まで見透かされてしまいそうだ。


「よかったね愛美」


「う、うん」


あたしはぎこちなく笑って、うなづいたのだった。

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