恋愛アレルギー
☆☆☆

2時間目の授業は理科室での実験だった。


フラスコを使ったり、顕微鏡を使ったりする授業は小学校の頃から大好きだ。


理科の教科書だけはもらって帰った初日に一通り目を通していた。


教科書と筆記用具を持って、理科室へ移動する前にトイレにもよった。


「あ、愛美!」


移動している途中で声をかけられて振り向くと、同じ小学校だった子がいて、つい話し込んでしまった。


「じゃ、またね」


授業開始5分前のチャイムが鳴り響いて、あたしは手を振ってその子と別れた。


そして1階にある理科室に入ったとき、黒いテーブルにまだなにも用意されていないことに気がついた。


確か、次の授業の準備はクラス委員の人がするんじゃなかったっけ?


そう思いながらクラス委員へ視線を向けると、ひとりで慌てて準備をしているのが見えた。


あ、そうか。


今日はひとりだって言ってたっけ。


先生の話を思い出してさっそくクラス委員の準備を手伝うため、近づいた。


その瞬間、その子はあたしを見て睨んできたのだ。
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