恋愛アレルギー
「な、なに?」


せっかく手伝いにきたのにどうしてにらまれないといけないんだろう?


わからなくて、あたしはつい睨み返してしまう。


「先生言ってたじゃん。2時間目の準備は図書委員さんがしてくださいって。聞いてなかったの?」


「え?」


その言葉にあたしは目を見開いた。


そして、先生が教室を出るときにあたしに声をかけていったことを思い出す。


あれは理科の準備のことを言っていたんだ!


「ご、ごめん! すぐにやるから」


つい、ぼーっとしていて先生の話を聞いていなかった。


あたしが準備するなんて、知らなかった。


「ちょっと図書委員、準備まだなの?」


3人組の一人に言われて、あたしはビクリと肩を震わせた。


3人とも腕組みをしてあたしを見下ろしている。


「ま、まだ……」


「先生に頼まれたのに、まさか忘れてたの?」


「えっと……」


しどろもどろになって、つい手が止まってしまう。


すると他の生徒たちから迷惑そうな声が上がった。
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