恋愛アレルギー
☆☆☆

入学式が終わって1年B組に入った瞬間、派手な笑い声が聞こえてきてあたしは入り口の前で立ち止まってしまった。


教室内を見回して見ると、教室後方で派手系な女子たちが笑っているのが視界に入った。


3人組みのその子たちと視線が合いそうになり、慌ててうつむいて自分の席へと向かう。

「あいつら、同じクラスだったんだね」


咲子がささやくようにそう言ってきた。

「うん……」


あたしは小さくうなづく。


3人ともあたしと同じ小学校出身の生徒たちだった。


みんな昔から派手で、中学にあがった今はスカートを短くし、髪の色も少し変えているみたいだ。


「ちょっと髪の毛茶色くしただけで入学式出られないとか、ありえないんだけど」


「だよね! あたしはピアスのこと言われたよ」


「この学校で古臭い校則も沢山あって、窮屈だよねぇ」


入学式のときには見かけなかったと思っていたけれど、そういう事情があったみたいだ。


あたしと咲子はなるべく3人のほうを見ないように自分の席についた。


あたしは入り口一番近くの列の、真ん中。


咲子は窓辺の真ん中の席だ。


出席番号順だから、最初はどうしても席が離れてしまう。


そのことでまた少し心細さを感じたけれど、幸いにも隣の席の子が同じ中学出身の子だった。
< 4 / 136 >

この作品をシェア

pagetop