恋愛アレルギー
「ちょっとドジなところもあるけど、そこが可愛いしさ」


なんのよどみもなく言われた言葉にあたしは自分の耳を疑った。


可愛い……?


口をポカンとあけて船見くんを見つめると、船見くんはハッとしたような表情になり「い、今のは忘れて」と、顔を下に向けた。


けれど船見くんの顔が耳まで真っ赤になっていることがわかった。


つい2人の世界に入り込んでしまっていたけれど、あたしが持ってきたポッキーはすでに殻になっている。


「あ、あたし、ゴミ捨ててくるね」


あたしはポッキーの空箱を持って、教室後方のゴミ箱へと移動したのだった。
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