恋愛アレルギー
☆☆☆

約束時間の１０分前に公園に到着したあたしはトイレに入って自分の姿をチェックした。


化粧も崩れていないし、服も汚れていない。


よし、大丈夫だ！


２度、大きく深呼吸をしてトイレから出ると、公園の入り口から船見くんが入ってくるところだった。


船見くんは青いジーンズとＴシャツという格好で、普段とは違って少しだけ大人っぽく見えた。


初めて見る船見くんの私服に一気に緊張感が高まってしまった。


「日下部さん、おはよう」


「お、おはよう」


せっかくの第一声が見事に裏返ってしまった。


恥ずかしくて顔が熱くなっていく。


「今日は可愛い格好してるね」


褒められて更に恥ずかしく感じていると、船見くんも頬を赤く染めていた。


きっと褒めなれていないんだろう。


それでも褒め言葉をかけてくれたことが嬉しかった。


あたしたちは肩を並べて公園を出る。
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