恋愛アレルギー
あたしは手串で髪の毛を整えて咲子を見る。


咲子はまるで子供の成長を見ているように目を細めて、あたしを見た。


「相談って、告白のことでいいの?」


「うん……。咲子は告白ってしたことがある?」


「もちろん。あたしは恋多き女だからね」


咲子は自信満々に胸をそらせて言った。


そう言えば小学校時代の咲子は好きな男の子が沢山いるって言っていたっけ。


「それで、どうやって告白すればいいのかわらかなくて」


「う~ん。今は告白する方法も沢山あるもんね」


咲子は名探偵みたいに顎に指を当てて言う。


メールに電話に手紙。


それか、直接本人を前にして伝えるか。


あたしからすれば、とてもハードルが高いことだけど。


「愛美はどんな方法で告白したい?」


「それは……メールかなぁ」


一番無難だと思う。


メールなら直接告白するより緊張しないだろうし、いざとなれば冗談だよとごまかすこともできる。
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