ドライブスルー彼氏
☆☆☆

翌日、学校に到着するとあたしはおずおずと話を切り出した。


「実は、昨日ね」


そう言って昨日ドライブスルー彼氏に行ったことを説明すると琴葉は眉間にシワを寄せた。


「それって全部信用できる話なの?」


「それはわからないけど、でもどうしても気になっちゃって」


「なんや怪しい気がする」


琴葉は指を顎に当てて考え込んだ。


「でも靖くんは人を騙すような人じゃないよ。両親の借金をバイトで返済しようとしてるんだもん。そのためにあれだけ上手だったサッカーもやめちゃったみたいだ
し」


昨日の靖くんの話を思い出すと胸が痛む。


できれば靖くんにはサッカーをしていてもらいたかった。


小学校時代しか知らないけれど、靖くんにはサッカーの才能があると思う。
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