ドライブスルー彼氏
☆☆☆

放課後になるまではあっという間だった。


靖くんとのデートを成功させたくて、デートスポットをいろいろと調べていたからだ。


といっても、所詮地元は地元だ。


行く場所は限られているし、学生同士のデートではお金も使えない。


ウインドーショッピングとか、ちょっとした公園でおしゃべりするとか、そういうことしか浮かんでこなかった。


「ごめん、待った?」


懐かしい小学校が見える公園で、靖くんは待っていた。


「今きたところ」


おきまりのやりとりも靖くんとやると新鮮な感じがする。


「懐かしいよな、小学校」


「本当だね。卒業以来来てないもんね」


「俺も。転校したからみんなともあまり接点がなくなっちゃったしなぁ」


「それなら今度同窓会みたいなことをしようよ。仲がよかったメンバーで集まってさ」


「それいいな。久しぶりにみんなに会いたいなぁ」


靖くんとは共通の話題もたくさんあって、あっという間に時間が過ぎ去っていく。
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