ドライブスルー彼氏
「その通りだね。本当の彼女がほしいなら、僕は同年代の女性を選ぶと思うよ。ミクちゃんはまだ17歳だったね。彼女としてはちょっと違う」


言いながら、大谷さんはまたあたしの体を下から上へと眺め回した。


その視線に絡め取られる気がして、あたしは大谷さんから視線をそらせた。


「だから、僕がなにをいいたいかと言うとね」


大谷さんが一歩あたしに近づいた。


「ミクちゃんになら、ひとつきで30万出すよってこと」


耳元でささやかれた言葉にあたしは息を飲んだ。


この人は元々売春目的でここへ来たみたいだ。


あたしみたいな高校生を選ぶんだからその可能性はあると思っていた。


それにしてもひとつきで30万とは羽振りがいい。


「ひとつきで、何度も相手をしないといけないんですか?」


その質問に大谷さんは指を2本立てた。


「僕も仕事が忙しいからね。その間の息抜きとしてミクちゃんに会いたいと思って
いる」


「2回で、30万?」


あたしは目をむいて聞いた。


大谷さんは微笑みながらうなづく。
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