ドライブスルー彼氏
本当だろうか?


これが本当の話ならかなりいい話ということになる。


正直、靖くんの家の借金を返済するために、つきに何人と関係を持てばいいか、と頬もなく感じていたところだった。


でも、この人が相手ならつき2回で30万は確実に入ってくるということになる。


ゴクリと、まだ唾を飲み込んだ。


あたしの気持ちが揺れているのがわかったのか、大谷さんはさっきから余裕そうな表情に変わっていた。


あたしはカバンの中の大金を思い出した。


数十万単位の話じゃない。


500万か、600万は持っていた。


ここで少し値上げ交渉をしてもいいだろうと思ったのだ。


「あの、あたしは男性経験がないんですが、金額は変わらないんですか?」


そう言うと大谷さんは驚いたように目を見開いた。


「そうか。ミクちゃんは経験がないのか」


呟き、顎に手を当てて考え込む。


しかしそれはポーズだけだったようで、すぐに顔を上げた。


「それなら初月は1回で30万はどう? 体にも負担が大きいだろうから、そう何度もはできないだろうし」


あたしは大谷さんの言葉に目を見開いた。


1回で30万。


それは大金だ。
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