ドライブスルー彼氏
「靖くん……」


小さな声で呟いたとき、誰かが大またで公園に入ってくるのがわかった。


どこかで見覚えるのある男性で、あたしは眉を寄せる。


誰だっけ?


その人はまっすぐに靖くんへ向かって歩く。


その顔がハッキリと見えたとき、あたしは息を飲んでいた。


それは明久くんだったのだ。


あたしは一番最初にドライブスルー彼氏で知り合った人。


でも、どうして明久くんがここに?


そう考えたとき、明久くんと靖くんが同じ高校なのだということを思い出した。


ずんずんと歩いてきた明久くんは靖くんの前で立ち止まり、その頬をいきなり殴りつけていたのだ。
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