ドライブスルー彼氏
同時に琴葉は声にならない黄色い悲鳴を上げ、あたしの耳に顔を近づけた。
そしてこそっと……「あたし、彼氏ができたの!」と、耳元でささやいたのだ。
琴葉の言葉にあたしは5秒くらい機能停止していたと思う。
それからゆっくりと琴葉の顔を見る。
琴葉は満面の笑顔を浮かべ、しかも頬を少し赤らめている。
嘘を言っているようには見なくて、あたしはしばらく口をパクパクさせて次に言うべき言葉を捜した。
「そ、それ本当に!?」
祝福よりもなにもりも先に驚きが先立ち、あたしは大声でそう質問をしていた。
「里奈、声が大きい!」
人差し指を立てて眉間にシワを寄せる琴葉にあたしはあわてて小声になった。
「だって、昨日だって出会いがないって嘆いてたじゃん!」
ここは女子高校だ。
男の子との出会いなんてないし、道端で自分から声をかける勇気だってない。
そんなあたしと琴葉はずっと彼氏不足に悩まされていた。
といっても、それはあたしたちだけじゃない。
乙女高校に通う大半の生徒たちが男子と仲良くなる機会がなくて、毎日のようにうめき声を上げているのだ。
それがどういうことだろう。
琴葉に彼氏?
そしてこそっと……「あたし、彼氏ができたの!」と、耳元でささやいたのだ。
琴葉の言葉にあたしは5秒くらい機能停止していたと思う。
それからゆっくりと琴葉の顔を見る。
琴葉は満面の笑顔を浮かべ、しかも頬を少し赤らめている。
嘘を言っているようには見なくて、あたしはしばらく口をパクパクさせて次に言うべき言葉を捜した。
「そ、それ本当に!?」
祝福よりもなにもりも先に驚きが先立ち、あたしは大声でそう質問をしていた。
「里奈、声が大きい!」
人差し指を立てて眉間にシワを寄せる琴葉にあたしはあわてて小声になった。
「だって、昨日だって出会いがないって嘆いてたじゃん!」
ここは女子高校だ。
男の子との出会いなんてないし、道端で自分から声をかける勇気だってない。
そんなあたしと琴葉はずっと彼氏不足に悩まされていた。
といっても、それはあたしたちだけじゃない。
乙女高校に通う大半の生徒たちが男子と仲良くなる機会がなくて、毎日のようにうめき声を上げているのだ。
それがどういうことだろう。
琴葉に彼氏?