ドライブスルー彼氏
☆☆☆

ボタンを押した瞬間、そのパネルの電気がフッと消えた。


同時に表示されていた男の子の写真も消えてしまう。


「え?」


突然薄暗さが増した気がしてあたしは周囲を見回した。


来たときとなんら代わらない景色が広がっているばかりだ。


特になにも起きないし。


どうすればいいのかわからなくて立ち尽くす。


数分してもなにも変化がなく、もしかしてあたし騙された?


と、焦って小屋を見つめる。


ドライブスルー彼氏なんて嘘で、ただお金だけを取られたのかもしれない。


可能性は十分にある。


「ちょっとお金返してよ!」


小屋へ向けて怒鳴ってみてもなんにもならないのに、つい口に出てしまう。


たった500円といえ、あたしにとっては大金だ。


それをこんなな避けない形でとられてしまうなんて、泣いてしまいそうになる。
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