ドライブスルー彼氏
「あたしのことはどうでもいいから。里奈もその人のこと好きなんでしょう?」


え……?


聞かれてあたしは返事に詰まってしまった。


明久くんんことが好きかどうかなんて、まだわからない。


だってこの前あったばかりだ。


初めてのデートで浮かれていて楽しい気分にはなったけれど、それと好きとは違うと思う。


「えっと……」


「もしかして、好きじゃないの?」


「まだわからないよ。1度しかデートしてないし」


あたしは慌ててそう言った。


誰だってそんなにすぐに好きかどうかなんてわからないと思う。


明久くんだってあたしのことをどうおもっているかわからないし。


「それじゃ他の男の子とも出会ってみたらどう?」


突然の提案にあたしは目を丸くして琴葉を見た。


「他の男の子?」


「そうだよ。だってまだ付き合ってないなら、またドライブスルー彼氏を使うのもありだと思うよ?」


「な、なに言ってるの。そんなことできるわけないじゃん!」


咄嗟に琴葉の意見を否定した。


しかし、琴葉は瞬きをして首をかしげている。
< 45 / 159 >

この作品をシェア

pagetop