ドライブスルー彼氏
☆☆☆

それから自宅に戻ってきてからも、心臓の音は早かった。


よくやく出会えた。


そんな気がしている。


家の近くまで送ってくれた隆さんは最後に『気をつけて帰ってね』と、声をかけてくれた。


家はもう目の前だというのに、そう言う風に心配してくれるのがすごく嬉しかった。


なんだか、女の子として扱ってくれているのがすごく伝わってくるのだ。


普段は女子高生活をしているから、女の子として扱ってくれる人はいない。


だから、余計に嬉しかった。


そしてあまり眠れないまま朝が来ていた。


目の下にクマができているんじゃないかと思って不安になったが、どうにかセーフだ。


初めてのデートの日に目の下にクマができているなんてありえないもの。


それからいつもどおり学校へ向かうものの、気分がよくてどうしても鼻歌を歌ってしまう。


自分で気をつけようと思っても、気がついたら歌っているのだからどうしようもない。


「今日はやけにご機嫌だね?」


そんなあたしを琴葉がほっておくわけがなかった。
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