ドライブスルー彼氏
☆☆☆

琴葉がアレンジしてくれた髪型は編みこみだった。


丁寧に編みこまれた髪型は、同じ女子高の生徒たちには好評判で「あたしもやってほしい!」という生徒が沢山いたくらいだ。


琴葉のおかげで自信が持てたあたしは、放課後緊張しながら教室を出た。


隆さんと会うまであと20分くらいだ。


ここから約束場所のコンビニまで8分。


もうすぐデートだと思うと、明久くんの時には感じなかった強い緊張感があった。


隆さんは自分が選んだもっとも理想的な男の人だし、年上ということもある。


これで緊張しないほうがどうかしている。


そう思いながら校門を抜けたときだった。


「里奈先輩!」


途端に呼び止められてあたしは足をとめた。


振り返ると、1年生の赤いリボンをつけた生徒が校門前に立っていた。


その子の頬は赤く染まっていて、手には可愛い便箋の手紙が握られている。


しかし、見たことのない顔だった。


「なに?」


「あ、あの! あたし、里奈先輩のことが好きなんです!」


人目もはばからず大きな声でそう言い、両手で手紙を持って差し出してくる。


あたしは驚きのあまり咄嗟には反応できなかった。
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