ドライブスルー彼氏
「なに? どういうこと?」


「とぼけないでよ。1年生の子が、あたしがドライブスルー彼氏を使ってるって知ってたんだから」


言うと、琴葉は強く左右に首を振った。


「あたし誰にも言ってない。自分でも使ってるんだから、言うわけないじゃん」


「本当に?」


「誓うよ」


琴葉は真剣な表情で、嘘をついているようには思えない。


それに、琴葉が言うとおりドライブスルー彼氏を使っているのは琴葉も同じだ。


そこで彼氏まで作っているからドライブスルー彼氏の存在を知られてまずいのは琴葉の方だ。


そう考えると少しだけ落ち着いてきた。


琴葉が犯人ではない。


だとすれば、誰がバラしたんだろう?


ふと頭に浮かんできたのは明久くんの顔だった。


ハッと息を飲んでスマホを確認する。
< 74 / 159 >

この作品をシェア

pagetop