ドライブスルー彼氏
☆☆☆
「琴葉、今日も一緒に帰ろうよ」
放課後になり、琴葉に声をかけると琴葉は申し訳なさそうな顔を浮かべた。
「ごめん、今日デートなんだ」
顔の前で両手を合わせ、まるで拝むようなポーズで言う琴葉。
デートという聞きなれない単語に一瞬言葉を失ってしまった。
同時に、そういえば琴葉には彼氏ができたんだったと思い出す。
「そ、そっか」
「本当にごめんね。彼、待ってるからまたね!」
琴葉は早口にそう言うと急いで教室を出て行ってしまった。
あたしは唖然としてその後姿を見つめる。
彼氏ができたって本当だったんだ。
今更ながら寂しさに似た感情がわきあがってくる。
その寂しさの中には多少の悔しさも含まれていた。
どうして琴葉だけ。
しかも、わけのわからないドライブスルー彼氏なんか使って彼氏ができるの?
そんな感情がわいてきて、慌てて左右に首を振ってかき消した。
彼氏の作り方がどうであれ、琴葉は一歩足を踏み出したんだ。
その結果彼氏ができたのだから、なにもしてない自分がとやかく言う権利はない。
「あたしも帰ろう」
ポツリと呟き、1人で教室を出たのだった。
「琴葉、今日も一緒に帰ろうよ」
放課後になり、琴葉に声をかけると琴葉は申し訳なさそうな顔を浮かべた。
「ごめん、今日デートなんだ」
顔の前で両手を合わせ、まるで拝むようなポーズで言う琴葉。
デートという聞きなれない単語に一瞬言葉を失ってしまった。
同時に、そういえば琴葉には彼氏ができたんだったと思い出す。
「そ、そっか」
「本当にごめんね。彼、待ってるからまたね!」
琴葉は早口にそう言うと急いで教室を出て行ってしまった。
あたしは唖然としてその後姿を見つめる。
彼氏ができたって本当だったんだ。
今更ながら寂しさに似た感情がわきあがってくる。
その寂しさの中には多少の悔しさも含まれていた。
どうして琴葉だけ。
しかも、わけのわからないドライブスルー彼氏なんか使って彼氏ができるの?
そんな感情がわいてきて、慌てて左右に首を振ってかき消した。
彼氏の作り方がどうであれ、琴葉は一歩足を踏み出したんだ。
その結果彼氏ができたのだから、なにもしてない自分がとやかく言う権利はない。
「あたしも帰ろう」
ポツリと呟き、1人で教室を出たのだった。