SNSストーカー
はじまりその1
「今日のお弁当おいしそうだねぇ」
あたしのお弁当箱を覗き込んでそう言ったのは友人の松木心(マツキ ココロ)だった。
小柄で長い髪をツインテールにしている心はまだ中学生くらいに見える。
「でしょ。おかず交換する?」
あたしは心のお弁当箱の中身を確認して聞く。
心は今日はサンドイッチみたいだ。
「するする!」
心は嬉しそうにとびはねながら言うと、迷うことなく、あたしのお弁当箱の中から大きなから揚げを取って行った。
「あ、それ楽しみにしてたのに」
文句を言いながらも、あたしは心のお弁当箱からフワフワと卵サンドを取ってすぐに口に放り込んだ。
濃厚な卵の味が口いっぱいひろがって思わず笑顔になる。
「あぁ、あたしの卵サンド……」
心が大げさに落ち込んで見せたところで、柳原彩(ヤナギハラ アヤ)が近づいてきた。
彩の手にはコンビニの袋が握られていて、そこから出てきたのは野菜ジュースとおにぎりだった。
「彩のお母さん、まだ風邪治らないの?」
卵サンドを粗食しながら質問すると彩はうなづいた。
「うん。朝ごはん作ってたら自分のお弁当作る時間なんてなくてさ、今日もコンビニ」
彩はさしていやそうな顔もせずに、おにぎりをほお張る。
夏から秋にかけての季節の変わり目で、今風邪が流行っているのだ。
あたしのお弁当箱を覗き込んでそう言ったのは友人の松木心(マツキ ココロ)だった。
小柄で長い髪をツインテールにしている心はまだ中学生くらいに見える。
「でしょ。おかず交換する?」
あたしは心のお弁当箱の中身を確認して聞く。
心は今日はサンドイッチみたいだ。
「するする!」
心は嬉しそうにとびはねながら言うと、迷うことなく、あたしのお弁当箱の中から大きなから揚げを取って行った。
「あ、それ楽しみにしてたのに」
文句を言いながらも、あたしは心のお弁当箱からフワフワと卵サンドを取ってすぐに口に放り込んだ。
濃厚な卵の味が口いっぱいひろがって思わず笑顔になる。
「あぁ、あたしの卵サンド……」
心が大げさに落ち込んで見せたところで、柳原彩(ヤナギハラ アヤ)が近づいてきた。
彩の手にはコンビニの袋が握られていて、そこから出てきたのは野菜ジュースとおにぎりだった。
「彩のお母さん、まだ風邪治らないの?」
卵サンドを粗食しながら質問すると彩はうなづいた。
「うん。朝ごはん作ってたら自分のお弁当作る時間なんてなくてさ、今日もコンビニ」
彩はさしていやそうな顔もせずに、おにぎりをほお張る。
夏から秋にかけての季節の変わり目で、今風邪が流行っているのだ。
< 1 / 141 >