SNSストーカー
「もちろん好きだよ」


クール系の彩まで目を輝かせてうなづいている。


「今日の歌番組に出演するんだってさ!」


「柳純くんって俳優だよね? どうして歌番組に出るの?」


「それが、純くんって歌もうまいみたいで、仲のいいアーティストから一緒に歌わないかってオファーがあったらしいよ! だから今日は貴重な純くんの歌声が聴ける日ってこと!」


心の嬉しそうな声にあたしと彩は同時に歓声を上げる。


かっこよくて、演技が上手で、歌もうまいなんて最高だ。


途端に今日の夜が楽しみになってきた。


「まぁた柳純の話か」


ため息混じりに声をかけてきたのは裕也だ。


裕也は呆れた表情を浮かべている。


「なによ裕也」


「お前は本当にイケメンが好きだな」


「それのなにが悪いの? 裕也だって女性アイドル好きじゃん」


「そ、そんなこと」


慌てて否定しようとする裕也が持っていたスマホを奪い取った。


そしてホーム画面の壁紙を2人に見せる。


「おい、なにするんだよ!」


裕也が慌てて取り返しても、もう遅い。
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