SNSストーカー
命令~夏美サイド~
「助けに行かないと!」


メッセージを受け取ったあたしと裕也は部屋を飛び出して玄関へと走った。


写真の背景に写っていた景色には見覚えがある。


家の近所の広場だ。


あそこに犯人と心と彩はいる!


靴をはくのももどかしく外へ出た瞬間、あたしは小さく悲鳴を上げて立ち止まっていた。


こけた頬。


無精ひげ。


生気のない目。


ボサボサの頭。


モニター越しに見たあの男が、玄関先に立っているのだ。


目の前にいると体臭がきついこともわかった。


「お前……」


後ろから追いかけてきた裕也があたしの体を押しのけて前へ出る。


男の目が更に釣りあがるのがわかった。


「あいつらになにした!?」


「知りたかったら、ついてこい」


男はひるむことなくそう言うと、黄色く変色した歯を除かせて笑ったのだった。
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