SNSストーカー
☆☆☆

男に連れてこられた先は、思っていた通り近所の空き地だった。


その奥に心と彩が拘束されて座らされていた。


慌てて駆け寄ろうとしたが、男があたしの前に立ちはだかってきた。


「あんたが興味があるのはあたし。2人は関係ないんでしょう!?」


遠くから見ると2人とも外傷はなさそうだけれど、気絶している。


あたしは苛立ちと憎しみを込めて男をにらみつけた。


「確かに、なっちゃん以外に興味はないよ」


男の声が優しくなる。


しかし、それが逆に恐ろしさを加速させていた。


「それなら、2人を解放して! あたしは逃げないから!」


「それはできないよ」


「どうして!?」


「だって、なっちゃんは俺以外の男を家に上げたよね。なっちゃんのことは好きだけど、ちょっと信用できない」


あたしは後ろを振り返って裕也を見た。


裕也はあたしにぴったりと寄り添ってくれている。


「警察に連絡する。そうすればお前は終わりだ」


裕也がスマホを取り出して言った。


しかし、男の表情は変わらない。


むしろ余計に楽しげに歪んでいく。
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