SNSストーカー
「なにを言ってるんだよ。先にアピールしてきたのはなっちゃんじゃないか」


アピール?


あたしは自分の耳を疑った。


「そんなのしてない!」


「した! 純くん大好きって言ったじゃないか!」


その言葉にあたしは奥歯をかみ締めた。


やっぱり、あれがキカッケになってしまっていたようだ。


「違う! あれは――」


「そだけじゃない! 俺が甘いものがほしいと思っていたときになっちゃんはケーキを作った。俺の唯一の思い出がある遊園地にも行った! カレーだってそうだ! ひとりでご飯を食べるとアピールもした!!」


唾を飛ばして怒鳴る男に、あたしは唖然としてしまった。
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