SNSストーカー
あたしが投稿したすべてのことが、自分に当てたメッセージだと思い込んでいるのだ。


「俺のことが好きなら、その男を刺せ!!」


怒鳴られて、一瞬頭の中が真っ白になっていた。


どうしてこんなことになったのか。


どうすればこの男は理解するのか。


「うるさい! お前なんか大嫌いだ!!」


あたしは全力で叫び、裕也の手を振りほどいてナイフを男へ向けていた。


これまで感じたことのない怒りが湧き上がる。


「夏美!!」


裕也の声が聞こえても、とめることができなかった。


あたしは男へ向けてナイフを振り下ろす。


次の瞬間確かな手ごたえを感じ、そしてそのまま意識を失ってしまったのだった。
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